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松本市美術館で現代アート団体が合同展-平面や彫刻など22人出展

会場の様子

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 NPO法人「Ground ART Gallery」(松本市大村、TEL 050-1375-5549)による合同作品展「something more」が、松本市美術館(松本市中央4)の2階多目的ホールと中庭で開催されている。

中庭の芝生にも展示が

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 同NPOは、1996年に現代アートの発信を行う目的で有志が集まり前身となる団体が発足。100回を超える企画展を開催し、活動の流れを継続するべく2006年にNPO法人化した。同展では、彫刻をはじめ絵画や写真など多ジャンルの作家22人が作品を展示する。

 林田滋さん(神奈川県)は御影石を削った彫刻を出展。シリーズ制作している「冬の言葉」という作品で、石の持つ雰囲気と、冬の寂しさや静けさをシンクロさせて表現している。「このシリーズは石でなければ表現できない作品だと思う。林田さんの作品は静かだが、たぎるものを感じる」と同NPO理事長の石上鳰子さん。

 塩島千典さん(白馬村)はクモの巣の接写写真を展示。糸に水滴が付いている様子を捉えたものや、あえてピントをずらすことでプリズムのように見える作品などが並ぶ。「かすかなものを捉えようとして撮っているうちに、いろいろな表情が見えてきた。想像以上のものを見せてくれる被写体」

 肱元伸さん(神奈川県)は、ボラート(船舶をワイヤやロープで係留するために、港の岸壁に設けた杭)を中庭で展示。石で型を作り、鉄筋コンクリートで形成している。「ボラートの形が好きで、ロマンを感じる」と肱元さん。1体だけ水色に着色されたボラートには「失敗しても負けずに物作りを続けていきたい」という意気込みが込められているという。

 小池光典さん(松本市)は「生と死」をイメージした彫刻を制作。「身近な人が亡くなることが多く、突然の死にどうしていいか分からない心の中のもがきを表現した」と小池さん。白の大理石と黒の御影石の間を行き来するステンレス製の波が、心の揺らぎを表している。

 「アートに対する理解と鑑賞をより深め、より身近に感じたり、楽しんで作品と触れ合ったりしてほしい」と石上さん。「難しいからと流し見せずに(笑)、作品から何か感じ取ってもらえれば」とも。

 開館時間は10時~18時(最終日は16時まで)。入場無料。10月27日まで。

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