松本で「レコード寄席」-生活の中で生まれたレコード、奥深さと面白さ知る

「レコード寄席」の様子

「レコード寄席」の様子

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 松本の多目的スペース兼バー「Give me little more.(ギブミーリトルモア)」(松本市中央3)で9月11日、生活の中で生まれたレコードを紹介するトークイベント「出張円盤 レコード寄席 基本編」が行われた。

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 東京・高円寺のイベントスペース・レコードショップ・喫茶店が一体となった店「円盤」でオリジナルのCD制作や販売、イベント企画運営を行う田口史人さんが、「出張円盤」として開催する同イベント。多様で幅広いレコードを紹介しながら、作り手の思いや作られた背景などを解説する。松本での開催は2回目。「テーマを設けることもあるが、今回は『レコード入門編』」と田口さん。

 約20人が参加し、前半はアイドルやご当地もののレコード、薄いペラペラな「ソノシート」や「フォノカード」など、レコード史を紹介した。「松本ぼんぼん」のレコードが取り出され、田口さんが「知ってます?」と聞くと、参加者全員がうなずき、「(地方に来ると)そういうことが知りたい。覚えて帰ります」という一幕も。レコード作りが流行(はや)った時代・地域があると、鹿児島県で作られたレコードを例に挙げると、ジャケットのほとんどに桜島や西郷隆盛が登場、会場には笑いが起こった。雑誌の付録のイメージが強い「ソノシート」は、記録メディアや音の出る印刷物として使われていた面もあるとレコードを掛けながら説明。企業のPRや、取扱説明書、有線放送電話などさまざまなものがレコードに収められていたことを知り、参加者からは感心する声が上がった。

 幕あいには柳家小春さんが三味線弾き語りで江戸の流行り唄や寄席音曲を披露。後半は作曲家の故・赤星建彦さんの人となりを、レコードと写真で紹介しながら語った。楽器のあっせん、演奏指導、作曲、レコードの企画、雑誌の創刊、音楽療法への取り組みなど、類まれなる才能と多彩な活動に、引き込まれるように聞き入る参加者の姿も。

 「レコード作りには多くの人が関わり、お金もかかる。それでも作られたのには理由がある。理由を考えるといろいろなことが見えてくる」と田口さん。自分たちの都合で選び、聞くのではなく、「そこにはものすごく広い世界がある。レコードの言い分を聞いてみよう」と呼び掛けた。

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