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信大生が回遊性プロジェクト「すわりまわる」-クラフトフェアで街中企画多彩に

辰巳の庭公園を清掃し、準備を進める学生たち

辰巳の庭公園を清掃し、準備を進める学生たち

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 信州大学人文学部芸術コミュニケーション講座(松本市旭3)は5月25日・26日、市街地の回遊性を生み出すプロジェクト「すわりまわる」を行う。月間イベント「工芸の五月2013」の一環。

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 大手門枡形広場を拠点として、両日さまざまなワークショップやイベントを行う。「けずリレー」(25日13時~、26日11時~)は日用品の表面をやすりなどで削って作品を制作するアーティスト・青田真也さんを迎え、ものを削る体験を行う。初日は青田さんが実演し、その後は参加者が続けて削り「リレー」する。「verall:Foot Soldiers展示」(26日11時30分~12時30分)は、2009年に同講座が行った展示イベント「Costume in play」で美術家・西尾美也さんと学生が制作したパッチワークの作品を再展示するもの。ほかに、学生たちが好きな場所を地図にした「ふぇちず」や、町の和菓子店とのコラボ企画「集まる、松本の和菓子」、参加自由のトークイベントなども行う。

 同広場と辰巳の庭公園、かわかみ建築設計室(大手5)では、付近の商店などの椅子を借りて野外に置く「借椅子通り」も開催。「街なかにちょっと休憩できるような椅子があったら面白いと思って企画した」と同学部3年の光井優太さんは話す。

 幅広い分野の作家を迎えて芸術表現方法を模索する研究を行う同講座は、これまで市美術館との共同企画や、商店街を舞台にした企画などを行ってきた。「工芸の五月」への参加は今回が初めて。「市からクラフトフェアの期間、回遊性を生み出したいと話があり、取り組んだ。今まで『工芸』という言葉から、普段使っているものというイメージはなかったが、使うこと、それを通じて生まれる交流を楽しみたい」と光井さん。同講座の2~4年生、OBやOGも含め25人ほどで準備を進める。「現代美術は知識や経験の差が出るが、街や日常の手触りや感覚は各自が持っている。それを出せる機会になれば」と同学部の金井直准教授。公共性と芸術性は、同講座のテーマの一つでもある。「お客さんをどう迎えるか、ここで考えてやってみたことを、今後の活動にも生かしていきたい」

 昨年のクラフトフェアの来場者は2日間で約7万人。その集客力に着目し、中心市街地への回遊性を生み出す取り組みが今年は各所で予定されている。六九商店街では昨年に続き「六九クラフトストリート」、高砂通り~本町商店街周辺では「商店と工芸」を開催。フェア会場近くのスマイルホテルの駐車場では松本商工会議所による「松本ノミヤゲ」が行われる。「フェア会場周辺には駐車場がなく、来場は公共交通機関や徒歩を呼び掛けている。フェアだけではなく、周辺を歩いて松本のまちを楽しんでもらえれば」と同フェア実行委員会は呼び掛ける。

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