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松本民芸家具がロッキングチェア展-織物など国内外の「手仕事」紹介も

期間中は、何度か配置換えをしながら作品を紹介する

期間中は、何度か配置換えをしながら作品を紹介する

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 松本・中町の「松本民芸家具 中央民芸ショールーム」(松本市中央3、 TEL 0263-33-5760)で現在、企画展「寛ぎの椅子・ロッキングチェア特集」が開催されている。

「MUNIカーペット」は壁に飾って展示

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 同展では、9種類のロッキングチェアを展示、自由に座ることもできる。全て国産の木材を使い手作業で制作。背面と座面がトウ編みになっているものは、トウも国産のものを使い手編みしている。一番古いものの原型が作られたのは50年以上前で、少しずつ改良されているものも。「震災後、『これまでの生活を見直してもいいのではないか』と考える人が多くなったように感じる。自然の素材を使い、丁寧な仕事をすること。それを無理なく持続していくことの大切さを痛感している」と店長の森島治さん。

 店内では、中国の明から清の時代に宮廷への献上品として作られたクラシカル・チャイニーズ・ラグを復興した「MUNIカーペット」やラオスの織物工房「ペーンマイ・ギャラリー」を主宰するコントンファミリーが手紡ぎ・手織りで作った絹織物、益子焼や小鹿田焼なども展示する。「国の違いを乗り越えてお互いの歴史の中で生まれたものを尊重していけるのが本当のグローバル」と森島さん。展示品はスタッフたちで話し合って選んだという。「どんなものを使って、どんな風に作っているのかが思い描けるようなものばかり。丁寧な仕事は、技術や方法が違っても、気持ちや姿勢、真摯(しんし)さのような、何か通じるものがある」

 松本民芸家具は、1944年に池田三四郎が創立(当時は「中央機材工業」)。池田三四郎は日本民芸の祖と言われる柳宗悦との運命的な出会いを経て、民芸論の研究、体得に励み、同時に家具職人を集めて、当時衰退していた家具産業の復興に取り組んだ。「見た目の形や理論だけでは計り知れない本質を作り手は体得するべき」と考え、国内外の家具などを収集。それらと生活を共にしながら修業する場所として「松本民芸生活館」を創設、現在も「職人の卵」が修業に励んでいる。

 「国や時代を超えて、美しく情感があって生活になじむものを並べた。自然の良さ、人間の良さ、手仕事の良さを感じてほしい」と森島さん。「小さな試みかもしれないが、コツコツと積み重ね、続けていければ」とも。

 価格はロッキングチェア=12万8,100円~。営業時間は9時30分~18時30分。入場無料。5月31日まで。

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